

【ICGレポートVOL.1013】 中国で原油不足は起こらない 07/09/2026
イラン戦争が勃発した2月下旬以降、中国は思い切ったエネルギー政策の転換を行った。まず燃料輸出規制を施行した。S&Pグローバル・エナジー・プラッツの試算では、5月までに国有製油所49カ所の平均稼働率が71.6%まで低下し、新型コロナウイルス流行以来の低水準となっている。中国の石油精製量はイラン戦争開始後、18%程度落ち込んでいる。(これらは国内備蓄分として考えられる) そして2つ目は原油に頼るエネルギー戦略を転換し、石炭へのシフトを敢行したことにある。アナリストらは、戦略石油備蓄、製油所での保管原油分、商業備蓄を合わせた総量を10億‐14億バレルと推計している。 中国政府は2025年から、安価なロシア産およびイラン産原油の備蓄を開始していた。米エネルギー情報局(EIA)の推計では、中国は昨年、平均で日量110万バレルの石油備蓄を積み増している。従って中国国内では原油に対する危機は問題になっていない。 一方のアメリカは、中国とは対照的に原油備蓄が既に半減しており、ホルムズ海峡の閉鎖が長期化すると自国の高コスト原油を精製、利用する必要性が出てくる。つま


【ICGレポートVOL.1012】 日本は金利高を恐れる必要はない 06/09/2026
高市政権の経済対策による財政悪化懸念、円安によるインフレ懸念が日本の長期金利の指標となる10年物国債の利回りを一時3%台に押し上げた。米政府からも「日本の国債利回りの上昇が、米国債の利回りの上昇圧力となっている。」と批判を受けた。 いずれ日本の長期金利が3%台以上で定着する時代が来るのだろう。 しかし利回りが上昇していると言っても、まだ3%前後。短期金利は1.0%という状況だ。内閣府の推計では、日本全体(家計・企業・政府の合計)の総資産は1京4119兆円で、負債を差し引いた、国全体の純資産にあたる「国富(正味資産)」は4549兆円と、過去最高を更新中。 日本の国債も「適当な利回り」が確保できるようになれば、潜在的な買い手が多く存在する。現に、オイルマネーを運用するノルウェー政府系基金は、米国やユーロ圏の国債の保有比率をそれぞれ12%、2%減らす一方で、日本国債の比率を現行の4.6%から7.4%に大幅に増やす。これまではゼロ金利で日本の国債投資には全く魅力がなかったのだ。 また世界の機関投資家は、日本のソフトパワーに目を付けている。技術力に加えて、


【ICGレポートVOL.1011】 ゴールドは数年内に1オンス=1万ドルを目指す! 30/08/2026
今年の2月に1オンス=5300ドル台の高値を付けたゴールドはその後、イラン戦争による金利の上昇によって調整局面を迎えている。しかし持続的なインフレリスク、原油価格の上昇、FRBの金融政策をめぐる不確実性、米国債の大量供給、そして米国の財政状況に対する懸念の高まりなど、複数の要因が重なり合った結果、見直し買いが入り始めている。 ゴールドの見直し買いの要因として最も注目されているのが、米政府の債務残高の増加である。現在40兆米ドルを超え、年間の利払い費用が1.2兆米ドル近くに達している。 債券市場では、米財務省が最近決定した長期債の買い戻し額を倍増させるといった技術的な措置は流動性を改善することは出来たとしても、財政赤字や債務供給、そして投資家が長期米国債を保有するために要求する『期間プレミアムに対する懸念』を払拭することはできないと見做されている。 8月28日、ケビン・ウォーシュFRB新議長が米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し、基調的なインフレ率が目標の2%に向かって鈍化しているとの確信が得られなければ、FRBには『やるべき仕事があ









