

【ICGレポートVOL.997】 もう原油価格は上がらない!? 20/05/2026
ウクライナが5月16日から17日にかけて、ロシアの首都モスクワに対して過去最大規模となるドローン攻撃を実施した。ロシア国防省は17日正午までの過去24時間でウクライナの無人機1000機以上を撃墜したと発表したが、ロシア側が受けたダメージは相当なものであった。モスクワ周辺にはロシア最新の強力な防空網を張り巡らせていたにも関わらず、ウクライナは国境から500キロ以上離れた目標を攻撃する事が出来た。これにはロシアも脅威を感じざるを得なかった。 遡って4月25日にはウクライナ国境から約1500キロメートル以上離れたチェリャビンスク等、ウラル地方の複数の工業都市も初めて大規模なドローン攻撃を受けている。ウクライナのゼレンスキー大統領はこれらの攻撃で、ドローンの航続距離が最長で約2000キロメートルに達したと明らかにしている。以前より、よりハイテク化しているのである。 ロシアのプーチン大統領がウクライナに一時的に停戦を働きかけているのも納得できるだろう。5月20日の中露首脳会談でイラン戦争について議論されているのは間違いないが、戦局が急速に悪化しているロシ


【ICGレポートVOL.996】 米雇用統計はもはや重要ではない 09/05/2026
ここにきて米AI&半導体関連株の上昇が続いている。年初から5月8日までにナスダック総合株価指数は+12.39%で、同時期のS&P500指数の+8.08%、NYダウ指数の+3.22%を上回っている。半導体市況が好調であることと、AI関連株が昨年来、過剰投資に対する不安から売られ、イラン戦争の際に安値に放置されていた事から値ごろ感からの買いが入った格好である。将来のAI&半導体市場の拡大を見越して、株価が上昇する傾向はいつまで続くのかは誰にも分からない。ただ市場参加者の投資家心理として、この相場に乗り遅れまいという「機会損失のリスク」を念頭に置いている投資家が多いのも事実である。 企業業績が好調なうちにこの流れに乗るのが重要と考えられる。しかしマーケットリスクは存在する。原油価格が落ち着いてきたとはいえ、まだWTIでは1バレル=90ドルを上回るレベルにあり、米10年物国債の利回りもイラン戦争前に一時、年率4%割れしていたが、現在では4.3%台にまで上昇している。マーケットは依然として高金利のレベルにある。 それではなぜ株価は上昇し続けるのだろうか?一


【ICGレポートVOL.995】 アラブ首長国連邦(UAE)とのエネルギー安保強化 09/05/2026
5月1日、中東のアラブ首長国連邦(UAE)は石油輸出国機構(OPEC)から脱退した。これまでOPEC内部で何度も原油の増産を主張してきたが、原油価格の維持を優先的に考える中東の大国、サウジアラビアの反対に遭い、増産が叶わなかった。しかし米国とイスラエルによるイラン攻撃が契機となり、一時的に原油価格は高騰。UAEにとっては、OPECを脱退する大きなチャンスであった。もちろん増産した原油の「買い手」として日本や韓国を始めとした原油純輸入国と水面下で交渉していたことは明白である。 5月5日、赤沢亮正経済産業相がUAEの担当閣僚とアブダビで会談した際に合意をまとめ、UAEによる日本への供給拡大などを求め、2000万バレルの追加調達で合意している。 日本の経産省によると、日本の1日あたりの原油需要量は2025年実績で、236万バレルで、新たに調達する2000万バレルは単純計算で8-9日分に相当する。 UAE産原油は日本の全輸入量の約4割を占めているが、もちろん将来的に更なる増産も可能である。OPEC内での産出量のキャップがなくなったことで、原油埋蔵量で世界


