【ICGレポートVOL.932】 デフレ経済VSインフレ経済ではすでに勝負アリ! 12/04/2025
- ICGレポート
- 5 日前
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中国政府は米国からの全輸入品に対する関税を4月12日から最大125%に引き上げると発表している。一方で今後米国がさらなる関税を課されたとしても「無視する」方針を明らかにした。そして中国商務省は、「現行の関税水準で米国からの輸入品が中国市場に受け入れられる余地はすでにない」と説明。
物価下落(デフレ)で困っている国に「追加関税」というインフレを齎しても、効果の程は疑問である。一方で物価上昇(インフレ)で困っている国に、わざわざ「追加関税」でインフレを助長するとはなんとも哀れに見えてしまう。この時点で既に勝負アリと言っても過言ではないでしょう。この貿易戦争はアメリカよりも中国の方が有利であるのは間違いない。
また長年に渡って米中間で影響力を行使してきたアセアン諸国では、トランプ大統領によって「アメリカを搾取してきた悪者扱い」された上、これまでの援助は打ち切り、しかも関税というペナルティで追い打ちを掛けられる。これではアセアン諸国もアメリカから中国に乗り換えざるを得ない。
EU諸国や日本といった民主主義や資本主義、或いは安全保障といったシステムを共有する国々についても、アメリカによる『裏切り行為』によって信用は失墜した。アメリカは世界の信頼回復に数十年の時間を要するかもしれない。或いは回復しないかもしれない。アメリカからの資本が逃避している中、当面アメリカに資金が戻ってくることはなさそうである。
本レポートは十分に注意深く編集していますが、完全に誤り がないことを保障するものではありません。本レポートはあくまで投資決定上のひとつの材料とお考えください。

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